社長メッセージ

誇りを持って、明るい未来へ

JSRマイクロ九州株式会社
代表取締役 社長 加藤 大樹

JSRマイクロ九州株式会社 代表取締役社長 加藤大樹

これまでのあゆみ

これまでのあゆみ

子どもの頃からデータを見て物事を分析することを好み、大学では化学工学を専攻しました。化学プラント設計を学んだことで一層この世界への興味を強くし、化学プラントの設計・建設に携われる化学メーカーへの就職を望みました。就職活動中、日本合成ゴム株式会社(現在のJSR株式会社)の社員に話を聞く機会があり、次々と新しい事業に挑戦している会社であること、そこには私のようなプロセス設計技術を学んだ者の活躍の場があることを知り、多大なる魅力を感じて入社を決めた次第です。

入社当初はひたすらに実験を重ねる日々でしたが、すぐには成果が得られず、逃げ出したくなったこともあります。しかし、その時の上司の言葉が私を導いてくれました。「3年間は諦めずに続けてみなさい」。その教えを胸に愚直に続けてみると、やがて要領が掴め、結果が出るようになりました。誰にでもすぐできる仕事は代替可能なものであり、容易に模倣されるものだとも言えます。私どもの事業は一定の成果が出るまでに時間がかかり、困難を極めることもございます。しかし、それこそが他の追随を許さない力を持つ証であり、我がJSRグループの存在価値でもあると実感しております。

入社以降、JSRマイクロ九州株式会社の代表取締役社長に就任するまでの25年間、JSR株式会社千葉工場、同四日市工場に身を置き、エラストマー(ゴムのような弾性のある高分子の素材)の製造、精密加工の技術開発、光学材料・半導体材料・ディスプレイ材料のプロセス開発や設備設計などを経験しております。入社時に抱いていた化学プラントの設計・建設に携わるという夢も叶えることができました。

社長となった今、思うこと

社長となった今、思うこと

当社は、JSRグループの中でも事業部機能やR&D機能(研究開発機能)を持たない純粋な製造事業所です。そのため私自身の立場も、経営者でありながら「技術者集団の棟梁」でもあると捉えております。代表取締役社長になったからといって技術者でなくなるのではなく、むしろこの立ち位置を技術者時代からの地続きと認識し、入社以降培ってきたノウハウを既存の経営資源と融合させてシナジーを起こしていく。私自身がこのように「連続的な発展」を遂げることが、会社としてのさらなる進化にもつながると考えます。

思えばJSRも連続的に成長してきた企業です。合成ゴム製造に端を発し、そのノウハウを少しずつ他製品や他事業に応用しながら発展してきたことが、現在の主力である半導体材料やディスプレイ材料製造事業につながっています。会社も人も、個々の専門分野を軸として持ちつつ連続的な発展を目指すことで次の軸が生まれ、成長するものです。この連続的な発展という考え方はあらゆる物事の本質に通じるのだと、これまでのキャリアで実感しております。

私たちの理念とは

私たちの理念とは

JSRグループの企業理念は「Materials Innovation -マテリアルを通じて価値を創造し、人間社会(人・社会・環境)に貢献します」。私どもの事業における成果物はマテリアル(素材製品)ですが、真に創り出すべきものは「価値」です。製品そのもののみならず、圧倒的な品質の高さ、供給の安定性、お客様が抱える課題への対応力、安全リスクや地球環境影響の極小化、これらの絶え間ない進化といった価値を生み出すことこそが、私どもの使命なのです。

当社は日々の業務を通じて価値を提供できているのか、それを判断するのは私ども自身ではなくお客様であり、最終的には「人間社会(人・社会・環境)」だと思っております。そのために大切にしているのは「お客様と共に価値を創り上げていく」という意識です。半導体やディスプレイパネルの製造には多いもので数百もの工程があり、仮に1つの工程で躓いた場合、他の工程に多大な影響を及ぼします。その一端を担っている当社が「そこまでやるのか」と言われるほど精細に品質を追求するのは当然のことです。お客様から製品に対してさまざまなご意見やご要望をいただきますが、それらに真摯にお応えすべく取り組むことで当社の技術力が底上げされ、ひいては業界のレベルアップにもつながります。このように進化を繰り返していかなければ、数年後には容易に他国に追い抜かれるでしょう。こうした活動の積み重ねにより、人間社会(人・社会・環境)に真の価値を提供できるものと確信しております。

共に価値を創り出すパートナーは、原料サプライヤーや構内協力会社などの皆様も同様です。目的を同じくする運命共同体として、今後さらなる協力体制を深めていきたく思っております。そして、現場の最前線で業務にあたる、つまり直接的に価値を生み出す張本人である従業員の存在も非常に重要です。経営者としては、従業員が最大のパフォーマンスを発揮できる環境を提供することが義務です。従業員には建設的な意見を遠慮なく挙げてほしいと思っているため、言いたいことが言いやすい「心理的安全性」が確保された職場づくりを重要視しております。オフィス環境を含めたインフラへの投資や安全への投資を積極的に行うと共に、無駄な業務や曖昧な指示をなくす努力を重ねてきました。私個人としても話しかけやすい雰囲気を心がけ、年1回は全員との面談を設けております。全ての従業員が「自分たちの仕事が、世の中に対して高い価値を生み出している」という高い誇りと適度な緊張感を持ち、それぞれの立場で価値の創造を追求し続けることを望んでいます。

未来に向けて

未来に向けて

今後とも皆様のお力添えをいただきながら「絶え間なく進化する会社」であり続けることを目指します。半導体業界、ディスプレイ業界の技術革新は日進月歩であり、当社の製品に対する品質要求も年々高度化の一途をたどっております。当社が扱うのは、顕微鏡でも確認できないほど微細な加工や直接計測が不可能な物が多くございます。こうした目に見えない物と相対するには企業としての高い総合力が問われますが、この力を磨くには、地道に一つ一つ技術課題をクリアしながら、膨大な経験を重ね、お客様のお困りごとに真摯に向き合うほかにはございません。目まぐるしく移り変わる世の中に柔軟に対応しながらも、しっかりと地に足をつけ、歩みを止めずに進んで参る所存です。

さらには、私どもの事業活動が、技術の発展のみならず人が幸福に暮らせる社会の創造につながることを目指しております。例えば2020年頃からの新型コロナウイルス感染症流行においては、リモートワークの急速な普及に私どもの半導体材料やディスプレイ材料の技術が一端を担いました。これは感染拡大抑制と社会活動維持の両立はもちろん、離れていても側にいるかのように顔を見て話せること、遠くで暮らす家族や友と心が通い合うことといった幸福の実現にも寄与していると自負しております。このように人々の生活やビジネスの利便性向上に留まらず、心の豊かさの創出まで見据えて事業活動を続けて参ります。

九州佐賀の企業として地域の皆様に誇らしく思っていただけるよう発展を続けると共に、大きな人間社会の一部として、価値の創造と人間らしい幸福の実現を追い求めて、これからも皆様と手を取り歩んでいく所存です。



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